(今回の記事は行政書士制度に興味のある方向けです)
行政書士の仕事は、行政書士法の「第1条の2および3」によって定められています(興味のある方だけ読んでください)。
その「仕事」には大きく分けて2種類あって、「行政書士しかやっちゃだめだよ」というのと、「これは行政書士の仕事だよ(でも行政書士じゃなくてもやっていいよ)」というのがあります。前者を「法定独占業務」といい、後者を「非独占業務」と呼んでます。
少しややこしいし、両方とも行政書士の仕事ならどうでもいいことかも知れませんが、この概念は非常に重要です。前者は、報酬を得る目的で無資格者が行うと犯罪となり、処罰されます。また後者は、行政書士の仕事であるかどうかによって、法律で認められた職務権限の使用に関わって来ます(あと保険がきくかどうかも)。
行政書士は、ほかの法令で制限されていないものであれば、何でも仕事にすることが出来ますが(例えばイベントの司会)、それは行政書士の仕事として法令で定められていないので、職務権限は使えないし、行政書士名での領収証も出すことが出来ない、という事です(行政書士が発行する領収証は、印紙の貼付が不要です。また報酬の支払者は源泉徴収の義務がありません)。
さて実は、行政書士の「仕事」を定めた法令は、この行政書士法第1条の2と3だけではありません。各種の政令や通達で「行政書士に行わせることが出来る」ものとしていくつかあるようですが、行政書士法に直接関連する部分では、「行政書士法施行規則12条の2」というのがあります。ここには、冒頭の行政書士法第1条の2と3の業務に「準ずるもの」としていくつか挙げられているのですが、そのうち第3号4号が面白いです。
第3号は「行政書士又は行政書士法人の業務に関連する講習会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務」とあります。行政書士業務に関し、教育や普及を目的としたセミナーを開いたり、本を出したり、法教育などの部分も業務の範囲に入って来るようです。テレビやラジオに出演する場合も含まれるでしょう。
そして第4号は、「行政書士又は行政書士法人の業務に附帯し、又は密接に関連する業務」です。
附帯業務は、業務そのものではないけど、ついでに一緒にやること(税証明の取得、郵送代行、出張、管理や保管など)なので、重要なのは「密接に関連する業務」です。これについて、何が含まれるのかという、明確かつ統一的な例示は無いようですが、総務省の見解によれば、成年後見業務はここに含まれるようです(この見解を受け、私は、行政書士として後見事務を行っています)。
確かに成年後見人等に就任することは何らの資格も必要なく、裁判所から選任されれば誰でも行うことが出来るのですが、トラブルを防止する観点から、また改正行政書士法で、行政書士制度の目的が「国民の権利利益の実現に資すること」と明記された以上、後見事務も行政書士の業務であると、明確にして欲しいところです。(2023年3月15日、総務省によって行政書士業務であると明確に通知されました。)
なお、大阪会では、「自動車のナンバーの出張封印」や、「行政からの委託による書類の事前審査」を考えているようです。
個人的には他に、「民間企業・団体への(特に相続に関する)申請代理」、「遺言執行者への就任」、「審議会等の構成員への就任」、また事実上、行政書士には機会がありませんが、実務では良く出くわす「相続財産管理人」、「不在者財産管理人」などへの就任も、業務に当たると思います。(2023年3月15日、「財産管理」も総務省によって行政書士業務であると明確に通知されました。)
なお日行連も(おそらく業務に附帯するという意味で)「相続財産の管理及び処分」について、行政書士業務であるとして、犯罪収益移転防止法上の職務上の義務を負うとしています。
普段、こういう細かいことをいちいち気にしながら仕事をしています。
行政書士の仕事は、行政書士法の「第1条の2および3」によって定められています(興味のある方だけ読んでください)。
その「仕事」には大きく分けて2種類あって、「行政書士しかやっちゃだめだよ」というのと、「これは行政書士の仕事だよ(でも行政書士じゃなくてもやっていいよ)」というのがあります。前者を「法定独占業務」といい、後者を「非独占業務」と呼んでます。
少しややこしいし、両方とも行政書士の仕事ならどうでもいいことかも知れませんが、この概念は非常に重要です。前者は、報酬を得る目的で無資格者が行うと犯罪となり、処罰されます。また後者は、行政書士の仕事であるかどうかによって、法律で認められた職務権限の使用に関わって来ます(あと保険がきくかどうかも)。
行政書士は、ほかの法令で制限されていないものであれば、何でも仕事にすることが出来ますが(例えばイベントの司会)、それは行政書士の仕事として法令で定められていないので、職務権限は使えないし、行政書士名での領収証も出すことが出来ない、という事です(行政書士が発行する領収証は、印紙の貼付が不要です。また報酬の支払者は源泉徴収の義務がありません)。
さて実は、行政書士の「仕事」を定めた法令は、この行政書士法第1条の2と3だけではありません。各種の政令や通達で「行政書士に行わせることが出来る」ものとしていくつかあるようですが、行政書士法に直接関連する部分では、「行政書士法施行規則12条の2」というのがあります。ここには、冒頭の行政書士法第1条の2と3の業務に「準ずるもの」としていくつか挙げられているのですが、そのうち第3号4号が面白いです。
第3号は「行政書士又は行政書士法人の業務に関連する講習会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務」とあります。行政書士業務に関し、教育や普及を目的としたセミナーを開いたり、本を出したり、法教育などの部分も業務の範囲に入って来るようです。テレビやラジオに出演する場合も含まれるでしょう。
そして第4号は、「行政書士又は行政書士法人の業務に附帯し、又は密接に関連する業務」です。
附帯業務は、業務そのものではないけど、ついでに一緒にやること(税証明の取得、郵送代行、出張、管理や保管など)なので、重要なのは「密接に関連する業務」です。これについて、何が含まれるのかという、明確かつ統一的な例示は無いようですが、総務省の見解によれば、成年後見業務はここに含まれるようです(この見解を受け、私は、行政書士として後見事務を行っています)。
なお、大阪会では、「自動車のナンバーの出張封印」や、「行政からの委託による書類の事前審査」を考えているようです。
個人的には他に、「民間企業・団体への(特に相続に関する)申請代理」、「遺言執行者への就任」、「審議会等の構成員への就任」、また事実上、行政書士には機会がありませんが、実務では良く出くわす「相続財産管理人」、「不在者財産管理人」などへの就任も、業務に当たると思います。(2023年3月15日、「財産管理」も総務省によって行政書士業務であると明確に通知されました。)
なお日行連も(おそらく業務に附帯するという意味で)「相続財産の管理及び処分」について、行政書士業務であるとして、犯罪収益移転防止法上の職務上の義務を負うとしています。
普段、こういう細かいことをいちいち気にしながら仕事をしています。