行政書士になってから、各種の会議に呼ばれたり、またその際に書記係や議事録署名人に指名されるようになりました(まあこういうのはだいたい若手の仕事だったりします)。
 ところで、議事録を作成する際には当日配られた次第を参考にするようにしてますが、議事録を作るようになってから気が付いたことがあって、会議の次第にはたいてい「開会の挨拶」と「閉会の挨拶」というのがありますよね。
 副会長とかナンバー2あたりの方がほんの一言、「それではこれから会議を始めます」と宣言するためだけに壇上などに上がったり、自席で起立して挨拶するのですが、果たしてこういうのは必要なのでしょうか。

 これが必要なんですね。

 会議や、中でも特に総会と言われるものは、そこで構成員の権利義務や会としての意思など重要事項が決定され、構成員はその方針に拘束されます。
 これも議事録を作るようになって気づいたことなのですが、では、その「会議」とは一体どこからどこまでを指すのか?(つまりどのタイミングで始まり、どのタイミングで終えたのか)というのが重要になる場合があります。
 例えば、会議が何となく曖昧な形で終わり、その後の雑談で重要なことが決まったとしましょう。しかし形式的な要件を満たしていない会議後の雑談は、会議としては正統性がなく、仮に決議(のようなもの)があっても有効な議決とはなりません。当事者の申し合わせで有効なものとして扱うとしても、一部の人が既に帰っていた場合などは、無効を主張される恐れがあります。
 議長が「これから会議を始めます」、「これにて閉会します」と宣言すれば足りますが、忘れているなどしてそれがない場合も考えられます。よって念のため、会議の次第に開始及び終了宣言として、一定の権限を持つ役職者による挨拶の時間を入れておき、会議の内外をはっきりと区切ることで後日の紛争とならないようにしているのです。

 というのは考えすぎでしょうか。