(1)録音する
普段私が議事録を作成する場合は、ボイスレコーダーに録音したものを利用します。スマートフォンのアプリでもいいのがありますが、会議によっては数時間回しっぱなしのこともあり、電話がかかって来る可能性もあるので、議事録を作る機会が何度かある場合は専用のものを用意してもいいと思います。
なお、会議前に「記録しているので」と理由を説明し、発言者は必ず氏名を名乗り、マイクを使って話してもらいましょう(肉声の発言では後からほとんど聞き取りできません)。
(2)メモを取る
録音できない場合はメモを取ります。細かい部分は記録できませんので、発言者と趣旨を記録し、それも大変な場合は、最低限、会議や議決の正当性に関わる部分を重点的に記録します。
【必ず記録しておきたいポイント】
・出席人数(本人出席、委任状出席の別)
・「定款に定める要件を満たし有効に成立した」旨の宣言者
・議長、議事録署名人と選出した経過(「議長一任」「立候補」など)
・議決について「満場一致」なのか、「賛成多数」なのか、
(→定款変更など決議要件にかかわるため、可能なら具体的な数字も)
・ケースにより「効力発生日」(住所の移転、任期途中の役員の辞任などで必要)
後日、このメモと、議案書などの資料、そして定款を基に、重要部分を足したり引いたりせず、かつ有効な議事録となるよう気を配りながら、臨場感あふれ、リアリティある目的に沿った議事録になるよう心掛けて作ります。
議事録のスタイルを選ぶ
議事録のスタイルには、大きく分けて2つ、更に細分すると3つあると思います。
①発言について全てを書き起こす方法
議事の経過と発言について全て記録し、例えば言い間違いや、「ええと」「あのー」などという部分も含めて全て記録します。「記録」という意味合いが強く、録音したものをそのまま文字に起こした感じで、国会の議事録などがそうです。
②議事の経過や決議の結果のみを記録する方法
どのような議題が、どのように決定したのか結果のみを記録します。重要でない細かい発言内容は書かないことが多く、あまり臨場感はありませんが、経過よりも結果を記録する意味合いが強く、手続きの添付書類や証明書として利用したい場合などに用います。
③発言の趣旨のみを残す方法(①と②の中間)
雑誌や新聞の記事のように、誰からどのような趣旨の発言があったのか、ある程度臨場感を残す方法です。一言一句が完全に正確では無くてもよいので、経過と結果もある程度記録したい場合に用います。任意団体の議事録などで利用しています。
どの方法を用いるかはお好みで、どれが正しいということはありませんが、例えば②の証明書類として利用する場合は、受け取り手が内容を確認しやすいように簡潔にまとめるのが適切ではないでしょうか。
法令または定款に沿って作る
議事録は、法令または定款の定めに沿って作らないと有効なものとなりません。
・法令や定款を確認し、記載が要求されている事項(日時、場所、議事の経過など)を必ず入れます。
・議事録署名人を置く場合は、人数および「署名」と「記名」の違いに注意してください。なお署名の日付は、本来であれば署名した日とするべきですが、全員が同日に署名することが難しい場合は、会議当日の日付とすることが多いようです。
・代表理事など代表者を議長または議事録署名人に含めておき、必ず議事録に法人の実印を押すような仕組みがあると、運営上、楽な場合がありますのでお勧めです。
・何度読み直しても誤記は付きものですので、出来るだけ捨て印をもらいましょう。特に登記に利用する場合は、連絡の上で、登記官が捨て印で訂正してくれる場合もあります。
文書の訂正の仕方
ところで議事録ってドキュメンタリー小説、文学ですよね。「定刻に至り・・」って書き出しは、まさしく小説っぽいじゃないですか。