先日、お寺の住職をされている方から相談を受ける機会がありました。
 知人から、「将来、後見人になって欲しい」と言われているとのことでしたが、知人の方が少し年下だそうです。それで受けるべきかどうか迷っていながらも、今から制度のことなどを勉強されているそうで、その辺のことを色々とお話しました。

 さて、そんな話をしながら感じたことですが、お寺は「後見」とかなり親和性が高いですね。今回その事実に初めて気が付きました。
 お寺はだいたいが宗教法人でしょうから、法人として受任すれば永続性もあるし、性質上、死後事務委任の受任者としてもばっちりな立場です。後見人は喪主を依頼される場合もあるそうですから、その時は葬儀を自らの寺院で行えますし、ワンストップどころかフルサポートと言えるのではないでしょうか。

 あとサービスとして出来たらいいのは、檀家からの自筆遺言の預かりでしょうかね。亡くなったらまずお寺に一報が行くので遺言の検索が容易だろうし、「希望する葬儀の方法を遺言に書いたのに、葬儀後に遺言が見つかる」という悲劇がまず起こらない安心感があります。そして、お坊さんには不思議と「遺言執行者」という名称もしっくり来ますね。

 でも難しいのは、依頼者の死が、そのまま受任する側の経済的利益になってしまう関係性があるので、それはつまり相続人との関係で利益相反とも言えますから、契約書や遺言の作成に関与するときは少し気を使いますね。

 前に、行政書士事務所を兼業しているお寺さんを実際に見たことがあります。相続遺言と後見や信託、墓地の開設許可、宗教法人関係など、寺院ビジネスに特化するとすごいサービスを提供できる事務所になりそうです。