今回は、一般のお客様向けの内容ではなく、どちらかというと行政書士を目指す方や同業者向けの記事です。

 私もかつて受験した行政書士試験。かねてから、「実務と試験内容との間に乖離がある」と言われていました。
 しかしまあ、実務を重ねていくほどに、行政書士試験がなぜあの内容なのか、「なるほどなあ」と思っていく行政書士は多いのではないでしょうか。
 例えば、行政書士業務の一丁目一番地、許認可申請をやるには、行政書士試験に出題されるレベルの民法、商法、行政法等の知識および、社会の一般知識が必要かつ、それで十分な内容となっております。

 例えば建設業許可や農地法第5条許可などであれば、
 
【基礎法学】法律文書の読み方、書き方(特に「又は、並びに」等の正確な使い方など)の基礎
【憲法】人権(特に経済的自由権や幸福追求権)
【民法】代理の概念、契約(売買、請負、贈与、賃貸借、使用貸借、委任)、法人の概念、行為能力、親族法、相続法、抵当権などの担保物権、物権変動などの基礎知識
【商法・会社法】支配人、取締役、株式、資本金、分割、合併、持分会社、有限会社などの基礎知識
【行政法】一般原則、行政手続法
【一般常識】社会保険、会計、金融の基礎知識、理由書・始末書・上申書等を作成するための高校卒業程度の国語能力
 
 などなど。どうですか、ちゃんと試験内容と申請に必要な最低限の知識がリンクしてますでしょ?(ただしプロとしてやるにはこれだけでは不十分なので、さらに業務に精通する必要はありますが)。

 許認可にかかる申請書や添付書類については、これらの法律知識等を申請者が理解していることが前提になっています。
 これらは行政書士試験合格者なら当然、最低限担保されている能力ですが、全ての一般国民が標準的に身に着けている知識、能力とは言えないものです。

 行政書士試験は考えられた良い試験だと思います。
 ただ、取り扱い業務に関わらず開業後に必ず自分で勉強する必要がある分野として、税法(特に贈与税、相続税、固定資産税、印紙税)や行政書士法、商業登記法、戸籍や公正証書等の知識、また扱うケースが多いものとして、借地借家法、農地法、都市計画法、建築基準法、不動産登記法あたりは宅建レベルでも出題されるといいのかなと思います。

 まあもちろん、自分が合格した後だから言うのですが。