saiban_futouhanketsu

 残暑お見舞い申し上げます。

 さて現在、西脇事務所では「特定行政書士」の認定取得を目指すべく、取り組んでおります。
 近年、法律資格は「2階建て」が流行っていまして、どういうものかというと、資格者に研修を受けさせて、もう一回試験を行い、合格者にそれぞれの資格に応じた弁護士業務の一部を取り扱えるようにするという制度です。行政書士の場合は、それが特定行政書士ということになります。

 特定行政書士に付与される新たな職務権限は、具体的には「行政不服申し立て」の代理です。
 そうです。今までは出来なかったのです。僕なんかはこれはすごいインパクトかと思うのですが、行政不服申し立て自体、あまり活用されていない制度であるというのに加えて、あらかじめ行政書士が関与したものに限られること、また受講料がやや高額なのであまり人気がないようです(「あらかじめ行政書士が関与」していない審査請求とは、例えば交通違反への不服申し立てなどでしょうか)。

 ところで、「そもそも行政書士は、申請前に十分な協議の段階を踏むので、許可が取れないような申請の仕方はしない」というような話がよく上がります。
 しかし、「これでは法律上の要件を満たさない」とか、「この書類では証拠にならない」といった、事実関係とか法解釈について行政側と認識の違いがあって、どうしても理解して貰えない場合や、手続き上の不備(要件を満たさない合議体による瑕疵のある処分など)で納得いかない場合に、第三者機関や上級庁の判断を仰いで欲しい、という場合もあるんじゃないかと。

 事実、現場の行政窓口では可否判断を法や規則に求めず、上級庁から配られた「手続きの手引き書」に沿うという運用ですので、そこに例示されていない添付書類や、先例がないものは「(過去に例がないから)だめ」となることは少なくないです。
 単に書類の書き方を変えたり、追加で出せる書類があればOK、ということなら、依頼者の利益を考えてこちらが折れることもありますが、それが不可能であったり、時間がなかったり、過大な負担を強いられるような場合は、「どうしてもこれで通したい」と思うこともあります。
 そうなったときに、依頼者に「ここからはタッチ出来ないのであとは弁護士さんに頼んでください」では仕事にならないし、やっぱり情けないです(ただし実務上は、任意で本庁などに確認して貰う「事実上の審査請求」はこれまでもありました)。

 決裂したときの「不服申し立て」の武器を懐に持つか持たないかで、申請や協議に臨む心持が最初っからけっこう違う気がしますがどうでしょうか。


(追記)無事、平成29年11月15日付で特定行政書士となりました。