先日、不動産の生前贈与についてご相談を受けました。
 

ここでいう「生前贈与」とは、ある人がその人の推定相続人に贈与することですね。
贈与であれば多くの場合、相続税はかかりませんが、その分、贈与税がかかることがあります。
また不動産であれば不動産取得税と、登記の際に登録免許税もかかります。

よって、何か特別な事情のない限り、不動産の生前贈与は税制面で不利になる場合があるので、公正証書遺言を作り相続を待つ方法も合わせてご提案いたしました。
こちらは実際の相続の時に登録免許税がかかるだけで、その額も贈与の場合の5分の1で済みます。
しかしその代わり、公証人や専門職に依頼した場合の手数料がかかります。


では不動産の生前贈与と相続ではどちらが得なのでしょうか。


1、成人した親子間の贈与で、
2、課税評価額が1000万円の宅地の場合を例に考えてみます。



【生前贈与の場合】


(贈与税)
1000万円-110万円(基礎控除額)=890万円
890万円×税率(30%)-90万(控除額)=177万円(a)
※ただし相続時精算課税制度を利用の場合は2500万円まで非課税のため0円(a')

(登記の際の登録免許税)
1000万×2%=20万円(b)

(不動産取得税)
1000万×0.5(軽減措置)×3%=15万円(c)

a+b+c=212万円(または35万円)



【相続の場合】


(登記の際の登録免許税)
1000万×0.4%=4万円 


その差、208万円(または31万円)。



ここで例に挙げているのは税金だけです。専門職に手続きを依頼するとその分費用がかかりますが、仮に31万円のほうだったとしても、差額で公正証書遺言を作ってもまだ安いです。


全体的な費用や手間を考慮する材料として、

・公正証書遺言の場合、相続人は相続手続きの手間と費用を抑えることができます。
・公正証書は少なくとも一回、平日の昼間に公証役場に出向かなければなりません(出張もしてもらえますが費用がかかります)
・「相続時精算課税制度」を利用する場合、ご自分で手続きすることも出来ますが、税理士さんに頼むことも出来ます。


実際の不動産の評価額が低ければ、たいして税金がかからず贈与のほうが安く済む場合もあります。
個別の事情によって判断が必要ですので、詳しくはお近くの専門家にご相談ください。